日本の多くの砂浜海岸(自然海岸、人工海浜)では慢性的な侵食が問題となっている。砂浜の維持管理には、日頃から担当者がその地形と変動状況を監視する必要がある。しかしながら、通常の測量ではコスト面の制約から、時間的・空間的に限られた地形データしか入手できない。
この研究開発ではレーダを用い、広域(約6kmの観測範囲)の海岸地形と侵食を常時観測し、これから砂浜海岸の健全度を測る指標を評価し、海岸管理者の砂浜管理を支援するシステムを作る。
Xバンドレーダ計測技術を海岸地形の観測に応用し、従来の測量では困難であった広域の海岸地形を常時測定する。レーダ観測は比較的安価に実施可能であり、きめ細かい監視が必要な侵食性の砂浜の基礎データ収集と継続的モニタリングが可能となる。
砂浜の保全を考える際には、広範囲の地形についての観測資料が必要である。しかしながら、従来的な測量方法ではデータの取得が限られる。リモートセンシングの一つである本手法は、対象領域の広域(約6kmの観測範囲)の地形を高頻度に、天候にかかわらず連続的に把握することが可能である。取得された地形情報を侵食対策、砂浜保全計画などの策定に具体的に応用する手順を示す。
本研究は、既存の測定技術を応用的に組み合わせるもので、従来では取得の難しかった広域の砂浜海岸地形データを連続的に収集できる点が技術上の特徴である。また、そのデータ解析を通じて、オンライン的に砂浜海岸の状況を監視し得ることを示す。
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