工事のコスト低減のために、運輸省(現国土交通省)港湾局では平成8年1月に「建設費縮減行動計画」をとりまとめ、外国産建設資材の活用が取り上げられました。
これを受けて、SCOPEでは、平成6年度に「外国産資機材に関する検討委員会」を組織し、外国で生産された建設資材の品質確保及び国内の港湾、空港、海岸工事への活用促進を図るため、具体的な実施計画を策定しました。これに基づき平成9年1月より、外国産資材品質審査・証明事業を行っています。
国土交通省は「港湾工事共通仕様書」に、外国産資材品質審査証明書を材料の品質を証明する資料とすることができると述べており、SCOPEの証明書を取得することで国土交通省の工事に活用できることとなっています。
海外の低コストかつ高品質の資材の活用を促し、工事そのもののコスト縮減と品質の向上に貢献するため、本事業を推進しています。
国土交通省の港湾工事で使用されるゴム防舷材では、「港湾工事共通仕様書」に記載のある『ゴム防舷材耐久性証明』が必要であり、これはSCOPEによって発行されています。
『ゴム防舷材耐久性証明』は国際航路協会(PIANC)の『Guidelines for the Design of Fender Systems:2002』を基にしており、その詳細な方法は沿岸技術研究センター(CDIT)が発行している『ゴム防舷材の設計法と試験法に関するガイドライン』に記載されています。SCOPEではそれらを更に具体的に規定した実施要領を作成し、正確な試験の実施と厳正な審査を実現しています。
またPIANCのガイドラインが2024年に新規発行されており、CDITのガイドラインとSCOPEの実施要領も改訂される予定です。常に世界で通用する審査を旨として、世界で最も公正で厳格な『ゴム防舷材耐久性証明』の発行を目指しています。
令和3年(2021年)にゴム防舷材圧縮試験のデータ改ざんの問題が発生したことをうけ、SCOPEは「ゴム防舷材試験環境証明事業」を令和5年(2023年)から開始しました。
接岸や係留において船舶と港湾施設の安全に大きな役割を担う防舷材の品質を確保するため、以下の4項目について85の要求事項を設け、これら全てを満たしていることを審査します。
1. ゴム防舷材静的圧縮試験への要求事項遵守
2. データ不正の余地がないこと
3. 防舷材の試験データの統計値の健全性
4. 企業としてのデータ不正防止体制
この証明は国土交通省の港湾工事で使用される防舷材には必須であると港湾工事共通仕様書に記載されています。また、多くの日本の地方自治体や民間でも必要とされています。さらに海外でも、この証明が必要であることを購入仕様書に記載しようとしている事例があります。
我々は本制度を世界の港湾オーナーに採用していただくことにより、要求性能を保持するゴム防舷材を常に購入できる健全な市場づくりに貢献したいと考えています。
お問い合わせは審査・認定部まで
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