平成25年度 土木学会 「第32回建設マネジメント問題に関する研究発表・討論会」(平成26年12月)にて当センターの調査研究成果を発表しました。
土木学会 「第32回建設マネジメント問題に関する研究発表・討論会」において発表した調査研究成果は次の3件です。
(一財)港湾空港総合技術センター(SCOPE)は,平成22年度以降,国土交通省8地方整備局発注の港湾空港工事を中心に,入札契約過程のリアルタイム・モニタリングを実施している. 本論文は,その成果として,港湾空港工事を中心に,入札契約実態,加算点付与と落札率の関係,および総合評価方式の課題について取り纏めたものである.
分析に用いた個別案件のデータは,港湾空港関係入札・契約情報(PAS)ならびに入札契約情報(PPI)から入手したものである.その他のデータも,国土交通省等(地方整備局を含む)のホームページに公表されたものである.近年,海上工事の減少により,海上工事を専門とする技術者が減少する傾向にある.一方,工事の安全や品質向上等を確保するためには,専門の技術者による適切な施工が必要である.特に,海上工事は,「海」という環境を相手に安全に工事を進めることが求められるが,ひとたび事故等が発生した場合の社会的損失に関するリスクは極めて大きいため,十分な経験と専門知識を持った技術者により工事を進める必要がある.このことから,海上工事の現場で経験を積んだ優れた施工技術者を資格認定し,継続的な教育・学習を促していくことが,今後の工事における安全確保や品質向上等に繋がることになる.この認定技術者は,海上工事の責任者として施工現場を指揮することに加え若手技術者の指揮者として,施工技術の伝承や発展に寄与していくことが期待される.
ここでは,平成25年度に資格を更新した認定技術者の継続学習状況から,資格更新者の学習実績と今後の継続学習の方向性について考察する.
老朽化が進む大量の社会基盤施設を予算制約の下,適切に維持していくことが重要な課題となっている.そのため,補修・更新を行う施設の優先順位決定手法の確立が望まれている.そこで,本論文では2つのモデル港湾施設内の複数の係留施設を対象として劣化予測を行い,予定供用期間中の補修費用と便益から純現在価値(NPV)を算出することで各施設の補修優先度評価を行うとともに,各港湾施設間における補修優先度の差異を考察した.さらに,年間予算を複数通り設定したうえでシミュレーションを行い,年間予算が各施設の補修優先度に及ぼす影響を検討した.その結果,便益の大きい施設の補修優先度を高く設定した場合にNPVが最大となることがわかった.また,各港湾施設内における各施設の補修費用の合計が最適な年間予算に影響を及ぼすという結論を得た.
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