第7回 構造物の安全性・信頼性に関する国内シンポジウム(JCOSSAR 2011)(平成23年10月)において当センター職員が共同執筆した論文を発表いたしました。
1996年に発効したWTOのTBT(Technical Barriers to Trade)協定を受けて、土木構造物に関する構造設計基準類の「国際標準への整合化」が推進されている。2007年には「港湾の施設の技術上の基準」1)(以下、港湾基準)が改訂された。この港湾基準では、国際標準であるISO23942)で規定されているレベル1信頼性設計法(部分係数形式の安全性照査法)が採用されており、今後の国内構造設計基準においても、レベル1信頼性設計法に基づく改訂が行われようとしている。空港土木施設(基本施設舗装を除く)に関しては、「空港土木施設構造設計要領及び設計例」3)(以下、現行基準)に基づいて各種土木施設の設計が行われている。本論文は、それらの土木施設のうち、最も一般的な地中構造物であるRCボックスカルバートを対象として、レベル1信頼性設計法を採用する場合の部分係数の設定について検討し、今後の信頼性設計法導入における知見を得ることを目的とする。
まず、6ケースの設計状況において、現行基準に基づいて試設計を行う。続いて、設計された断面の信頼性解析を行い、信頼性指標を把握するとともに、確率変数の感度係数を算定する。ISO2394を参考に目標信頼性指標を設定し、変動係数と感度係数を用いて、確率変数の部分係数の算定方法を示す。算定した部分係数を用いて、6ケースの設計状況において、レベル1信頼性設計に基づく設計を行う。これらの結果を踏まえて、現行基準とレベル1信頼性設計の設計結果について、構造安全性の観点から考察する。
賛助会員の方は、賛助会員ページにて詳細ご覧いただけます。