平成23年度土木学会全国大会(平成23年9月)において、当センターが実施した調査研究成果の発表を行いました。
第66回年次学術講演会において発表した調査研究成果は次の3件です。
わが国の舗装工事に関しては、設計について性能規定型の方法もみられるが、施工については出来形、品質の規格値を全数満足しなければならないとする仕様規定型の方法が用いられている。そのため、検査の結果は合格か不合格のどちらかであり、その中間的なものは通常はない。そこで、加熱アスファルト混合物の施工管理基準の一つである密度に注目して、施工性能の定量化方法について考察した。その結果、施工の優劣により舗装の性能が大きく変化することが疲労破壊回数を用いて定量的に表されることが明らかになった。この定量化手法を用いることにより、締固め度の合格判定値、試験頻度といった現行の施工管理検査方法を照査することができるものと考えられる。
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空港舗装の点検作業の効率化ならびに高度化を図ることを目的として、モバイルPCとDGPSを用いた空港舗装巡回等点検システムが国土交通省国土技術政策総合研究所により開発され、国土交通省航空局により試行されている。空港基本施設舗装の管理をより合理的に行うことを目的にして、このシステムを用いて収集・整理されたデータを補修必要性判定へ利用する方法について検討した。その結果、標準的なユニットサイズにこだわらなければ、現行の1項目の破損の状況を用いる方法に当てはめることにより、部分的にではあるが、このシステムによる点検結果の補修必要性判定への利用可能性があるとわかった。
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公共工事の品質を確保するため平成17年に「品確法」が施行され、業務においても平成21年度より総合評価落札方式が本格的に導入された。業務の総合評価落札方式では技術評価の重要性が大きく、評価項目の設定および配点は非常に重要であり、技術者評価を中心に、技術評価の項目設定、配点を分析し、優良表彰の効果および業務成績評価のあり方について検討した。その結果、「業務成績」については整備局間の成績評定点の平均化、業務成績評価割合のメリハリ化を進めること、「優良表彰」については積極的に優良表彰を評価項目として活用するために、優良表彰件数の拡大と当該地方整備局から全国へ評価対象範囲の拡大等が必要なことが明らかになった。
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建設マネジメント研究所八谷副所長が、研究討論会「舗装の性能を考える~舗装標準示方書の改訂に向けて~」において、座長ならびに話題提供者を務めました。当該研究討論会の趣旨は次の通りです。 2007年に土木学会舗装標準示方書が発行されて以来4年が経過し、性能に基づく設計、施工、点検、補修といった示方書に明示された舗装の整備方法が認知されている。一方では、性能の照査方法が詳細にされていないといった問題点も残されている。研究討論会では、現行示方書に対して様々な観点からレビューを行い、その結果を踏まえて現行示方書の見直し作業の方向性について主に三つの観点から討論する。 提供された話題は次の通りです(話題提供者から発表資料の掲載許可を頂いております)。