1.Data Collection and Their Usages for Airport Pavement Management System in Japan
(日本の空港舗装マネジメントシステムにおけるデータの収集とその利用)
著者:Yoshitaka Hachiya, Futoshi Izu, Hayato Tou, Takashi Watanabe, Takehiko Kouda
(八谷,伊豆*,藤*,渡邊,幸田:*国土交通省国土技術政策総合研究所)
概要:
一度空港舗装が供用されると,性能を満足できるレベルに維持して耐用年数を最大にするためには,適切な維持・修繕作業が不可欠となる.これを可能とするためには,空港舗装管理システム(APMS)を構築し,それにより最も効果的に資金,人員,資源を配分することが空港管理者にとって必要となる.
APMSのいくつかのサブシステムは日本では実用段階に入っている.維持・修繕サブシステム(APMSのサブシステムの1つ)は3つのフェーズから成っている.すなわち,点検・維持フェーズ,健全度評価フェーズ,修繕最適化フェーズ.各フェーズにおけるデータ収集,分析手順について詳細に説明されている.
点検・維持フェーズでは,点検パトロールシステムが,点検効率の増加,データ管理の合理化,維持戦略の適切化のために採用されている.この点検パトロールシステムにより,舗装の損傷に関する様々なデータが定量化され,損傷履歴が記録され,改善措置が自動的に決定可能となる.
健全度評価フェーズでは,舗装の保全と改良に関する2つのシステムが整備されている.前者では,舗装補修指数(PRI)が舗装表面状態を定量化するために使用される.後者では,舗装荷重支持性能,航空機運航の安全性,表層材料の耐久性が評価される.
補修最適化最適化フェーズでは,AirPORTSと呼ばれるシステムが補修時期と工法の最適化,ライフサイクルコストの最小化,補修費用の最適配分を実行するために使用されている.
2. Wave Propagation Analysis for Flexible Pavements and its Application to Backcalculation Analysis
(たわみ性舗装の波動伝搬解析と逆解析への応用)
著者: Kunihito Matsui, James W. Maina, Yoshitaka Hachiya, Yoshiaki Ozawa
(松井*,マイナ**,八谷,小澤***:*東京電機大学,**南アフリカ,***センチュリテクノ(株))
概要:
この研究の目的は、Falling Weight Deflectometer(FWD)の時系列データの逆解析と同様に,波動伝搬解析方法を誘導することである.FWDは舗装に衝撃荷重を加え,それによるたわみ波形が舗装表面で伝播する状況を計測する試験装置である.
波動伝搬解析方法を誘導するために,たわみ性舗装を構成する層の力学特性はフォークトモデルもしくは複素弾性率モデルのどちらかにより表される.また,FWDの載荷板が円形であることから,このような波動伝播問題に関する支配方程式は円筒座標系により表される.最終的に開発されたソフトウェアは,Wave Propagation Analysis for Layered Systems (Wave-PALS)と呼ばれている.このWave-PALSを使用して得られた結果は,汎用有限要素パッケージADINAによる結果と合致した.
逆解析方法は,修正ガウス-ニュートン法を使用することにより誘導された.2つのモデルのうち,フォークトモデルを使用した場合がよい結果となっていることがわかった.静的逆解析と動的逆解析を比較した場合,アスファルト混合物層の弾性係数については両者の間で違いが見られたものの,下層では比較的近い値となっていることがわかった.
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