[SCOPE] 財団法人 港湾空港建設技術サービスセンター

  • Googleロゴ

    

研究開発助成

平成14年度 研究開発助成研究一覧

助成期間 平成15年3月~平成16年3月

港湾水中施設の広域観察の自動化に関する研究

研究者 浦環
東京大学(生産技術研究所海中工学研究センター)センター長、教授

研究開発の目的意義

港湾施設は大規模化、大深度化している。音響装置による調査の精度は向上しているが、目視観測を必要とする水中施設の保守点検、あるいは管理維持は、従来のように潜水士による潜水作業に頼っているのが現状である。

そこで本研究では、目視観測に自律型海中ロボットを用いて、構造物などの表面をビデオ撮影することにより自動化し、港湾施設の維持管理を高度化しようとするものである。

水中は人間が直接アクセスしにくい場所である。これを自動化することにより、施設の信頼性の向上が期待でき、水中施設の維持管理を近代化することができると期待される。

トライドック(自律型海中ロボット)による海中観察イメージ図

トライドック(自律型海中ロボット)による海中観察イメージ図

高含水比建設残土の軽量盛土材としての再資源化に関する研究

研究者 高橋 弘
東北大学大学院工学研究科 助教授

研究開発の目的意義

近年、含水比の高い建設残土の処理法の1つとして、故紙と泥水を混合し、さらにポリマーを加えて保水性・保肥性の高い良質な土に蘇らせる工法が注目されつつある。

本工法による処理土は、破壊ひずみが大きく、また軽量化であるといった特徴を併せ持つため、大規模埋立地における軽量盛土材、ヒートアイランド対策のための屋上緑化、地滑り危険地域における地盤改良など多くの活用場所が考えられる。しかし盛土材として要求される強度を有しつつ、かつ軽量化を実現させる工法は確立されていない。

そこで本研究では、高含水比建設残土から繊維質軽量盛土を生成する工法について実験的及び理論的に検討するものである。

廃棄物である残土から軽量盛土材が安価に生成できれば、工事コストの縮減、リサイクル率の向上、地球環境への負担軽減等、大きなメリットが期待できる。

処理前の写真

処理前の写真

処理後の写真

処理後の写真

製品やサービスの提供でむすびついた事業所群の環境マネジメントシステムの構築法に関する研究

研究者 盛岡 通
大阪大学大学院工学研究科 教授

研究開発の目的意義

ISO14001シリーズの環境マネジメントの日本国内での普及は順調であるが、幾つかの新しい課題をかかえている。

第1にシステム監査の積極的導入に比して、パフォーマンス評価の実質化による事業所活動の見直しの効果を内外に及ぼしてゆく点で改善すべき点がある。次に最終製品にかかる環境マネジメントを左右する下請けや取引先を巻きこんだマネジメントシステムの構築、加えて環境マネジメントと品質マネジメントの協調連携の必要性である。

本研究ではパフォーマンス評価に段階的発展すなわちエコステージの概念を導入して展開をはかるアプローチを通じ、これらの課題について解決を見出すことを目的とする。

打撃音に基づく構造物の定量的非破壊検査システムの開発

研究者 鎌田 敏郎
岐阜大学工学部社会基盤工学科 助教授

研究開発の目的意義

本研究では、構造物表面での打撃音特性と検査対象物の状態との関係を実験及び解析の両面から理論的に明らかにし、構造物の点検における打音法の簡便さを生かしつつ評価結果の定量性を高めることにより手法の高度化を行うことを目的とする。

具体的には、打撃音の特性パラメータを用いたコンクリート構造物表層部の品質および内部欠陥の合理的評価システムを提案する。

本成果は、既設構造物の維持管理における点検の合理化に役立つばかりでなく、例えば鋼・コンクリート合成構造などの新設構造物における竣工時点での構造物健全性の評価にも極めて有効となるものと考えられる。

計測方法の概略図

計測方法の概略図

鉄筋コンクリートへの電着工法適用後の力学的特性の改善効果に関する検討

研究者 大即信明
東京工業大学大学院理工学研究科 教授

研究開発の目的意義

電着工法とは、鉄筋コンクリート構造物のひび割れ近傍をCa2+やMg2+などの陽イオンを含んだ水溶液で満たし、通電することにより発生、析出する電着物によりひび割れの閉塞や表層部の改質を図る技術である。

本研究では、鉄筋コンクリート構造物に対する電着工法適用後の力学的変化に関して検討することを目的とする。これにより、既往の研究において不明確であった、電着通電によるコンクリートの力学的変化が明らかとなる。

また、電着工法適用後の耐荷性及び耐久性に関する議論が可能となる。さらに電着通電のメカニズムに関する新たな知見が得られる。以上の検討は電着工法の実用化に向け、大きな意義があるものと考えられる。

電着工法についてのイメージ図

電着工法についてのイメージ図

海上交通管制システムの開発

研究者 奥山育英
鳥取大学工学部社会開発システム工学科 教授

研究開発の目的意義

資源が乏しく周囲を海に囲まれたわが国にとって海上交通は経済を支える重要な役割を担い、高い信頼性が要請される。しかしながら、衝突、乗り上げといった海上交通事故はあとをたたない。

そこで本研究は、情報提供にとどまっていた従来の海上交通管制から一歩踏み出して、航空機に対して行われるような管制官による航行指示を船舶に対しても行う管制システムの実行可能性を探り、さらに現実のものとすることを目的とする。

ページの先頭へ戻る

ページTOPへ