高木栄一上席研究員(SCOPE)
第2回は、平成25年度に入札契約された港湾空港工事の結果について報告します。使用するデータは、港湾空港関連入札・契約情報(PAS)に公表されている8地方整備局の全工事です(PASに掲載されない北海道開発局、沖縄総合事務局のデータは含みません)。
平成26年6月25日現在、649件の入札契約結果が掲載されていますが、施工体制のみの総合評価(簡略型)や指名競争入札を除いた633件に関する主なデータを表1、表2に示します。
以上のデータから、読み取れる傾向は、以下のとおりです。
・大規模工事ほど、応札率・落札率とも、調査基準価格率に張り付いています。(たとえば、WTO案件では、調査基準価格率に対して、わずかに応札率で1.9ポイント、落札率で0.6ポイント上回っているに過ぎません)。
・また、大規模工事ほど、落札者の獲得加算点順位も上位にあります(予定価格9千万円以下の小規模工事でも加算点順位は高そうに思えますが、1件当たりの参加者数が少ないためです)。
・どの予定価格帯においても、総合評価による逆転額の対予定価格比率が0.2%台と極めて小さい値となっています。
・予定価格帯9千万円以下の工事は、参加者が少なく(平均2.0~2.9者/件)、落札者の価格順位もほぼ1位であり、総合評価による逆転はほとんど発生していません。逆転発生割合は、1千万~9千万円以下でわずかに13.6%、1千万円以下では4.0%です。
これらの状況を、予定価格帯別に示すと図1のとりです。
なお、表では分かりませんが、複数の応札者の応札価格と獲得加算点が同じで、くじ引きにより落札者を決定した案件が5件あります。うち3件はWTO案件です。
また、調査基準価格以下の応札価格で落札した低入札落札が3件発生しています。そのうち1件はWTO案件です。その他に4件の工事で有効な低入札が6者あります。
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