静岡県内の係留施設は、港数15(図−1)、岸壁(−4.5m以深)82施設、物揚場(−4.5m未満)109施設(図−2)。このうち、供用年数50年以上のものは全体の5.3%だが、10年後には33%、20年後には50%を占めることになる。
静岡県土木部の最初の取り組みは、ガイドラインに則った全施設の現状把握だ。すでに点検・調査が始まっており、今後2〜3年の時間をかけて各施設のデータを収集する。このデータを踏まえた上で中長期管理計画を策定していく考えだ。
いままでの維持補修は対処療法的に行ってきたが、今後はこの計画に沿って行うことになる。しかし、厳しい財政状況、限られた職員数では、「ヨーイドンで、全ての施設を同時に維持補修を行うことは現実的ではありません。例えば、取扱貨物量といった、何らかのプライオリティをつけて行う必要があります」と港湾整備室港湾工事係長杉山氏は言う。そのため、全施設を対象に「施設健全度」「施設重要度」「将来計画」を基に整備優先度を設定して行うこととしている。
整備優先度の設定に際しては、特定重要港湾及び重要港湾と地方港湾では「港湾機能が異なる」(杉山氏)ことから、重要港湾以上と地方港湾の2つに区分し、施設重要度を評価して順次行うこととしている。重要度は5段階で評価を行い、地域防災における重要性を1、背後地にある荷役機械など、その施設でなければ作業ができないといった代替困難性を2として評価。3〜5段階については、重要港湾以上は取扱貨物量50トン以上・未満・なしを、地方港湾は施設の目的(岸壁or物揚場)、さらに荷役の有無によって評価している。
ただし、重要港湾以上と地方港湾は予算上は1つの括りになっているため、その配分は慎重を要するところだ。「使用頻度でいえば重要港湾以上の方が多いわけですが、地方港湾は地域生活に密着している施設であるため、優先度については点検・調査で得られたデータを基に慎重に検討を行う必要があります」(杉山氏)
点検・調査は、年1回実施する定期点検、定期点検で変状が確認された場合に実施する詳細点検、地震、台風等の災害発生時に実施する臨時点検、劣化予測に用いる基礎データ収集を目的とする定点調査の4種類を実施。
定点調査は、経過年数や構造別にグループ化して調査地点をピックアップし、3〜5年のサイクルで調査を行う。
定期点検は、職員による目視主体の陸上調査、海上踏査及び簡易測定(電位測定)を行うが、港湾の場合、その施設のほとんどは海中に没している。そのため、詳細調査が必要な場合に外部に調査を委託することになる。港湾整備室港湾工事係主任杉本氏によると「最初から外部委託にすると多額のコストがかかります。まずは職員が行い、必要に応じて外部委託してコスト縮減を図るようにしています」 |