Scope View
国土交通省CALS/ECアクションプログラム2005と港湾CALS推進計画
 1.はじめに

 平成18年3月15日に国土交通省において、今後のCALS/ECに対する具体的な取り組み内容を示した、「国土交通省CALS/ECアクションプログラム2005」が発表されました。プログラムの概要と港湾事業における取り組みについて、ご説明致します。
 CALS/ECへの取り組みは、平成22年までに我が国の公共事業分野での建設CALSを実現させるための整備目標などを示した「建設CALS整備基本構想」(以下、「基本構想」という。)を策定した平成8年度から開始されています。
 基本構想では「新しい公共事業執行システムの確立」を全体目標として掲げるとともに、
(1)情報交換
(2)情報共有・連携
(3)業務プロセスの改善
(4)技術標準
(5)国際交流・連携

に分けて整備目標を設定されていました。
 一方、旧運輸省港湾局では、平成8年度に「港湾CALS整備基本計画」が策定され、港湾CALSの整備の基本的な方向性を示しました。
 さらに、平成10年度には「港湾CALS整備計画」が策定され、平成16(2004)年度までを対象期間として、具体的な実施計画を示されました。
 平成13年度の省庁再編後、建設CALS/EC、港湾CALSおよび空港施設CALSを統合した、国土交通省CALS/ECとしての取り組みを進めることとし、「国土交通省CALS/EC推進本部」の設置および「国土交通省CALS/ECアクションプログラム」の策定が行われました。
 これは、各々のCALSを単にひとつのシステムとして一元化するのではなく、共通の目標を設定し情報交換、技術交流を行うことにより、それぞれ事業に対応する「公共事業支援統合情報システム」の構築(CALS/ECの実現)に向けて、全省一丸となって整備されてきました。
(図−1 港湾CALS推進の経緯 参照)

図−1 港湾CALS推進の経緯
図−1 港湾CALS推進の経緯

 

2. CALS/ECアクションプログラム2005の概要

本プログラムの概要は次のとおりです。詳細につきましては、「国土交通省CALS/ECアクションプログラム2005」(http://www.mlit.go.jp/tec/it/cals/index.html)を参照して下さい。

さらなるコスト縮減、品質確保、及び事業執行の効率化を図るために、これまでの取組の中心であった各種情報の電子化から、「情報共有・連携」及び「業務プロセスの改善」に重点的に取り組む。
18の目標を設定し、目標別に具体イメージ、実施項目、年次計画等を示す。
計画期間は平成17年度から平成19年度までの3年間とする。
適切にフォローアップするとともに、必要に応じて見直しを図る。

 また、今後のCALS/ECの取組をより一層促進するために、以下のように、推進体制の改正がされました。

官民連携をより一層強化するために、官民の意見交換組織を一本化して推進本部のもとに設置する。
アクションプログラムのフォローアップ体制を明確にする。

3. 目標の設定

 基本構想における整備目標を実現するための具体的目標が次のとおり設定されています。
 なお、事業執行の全体最適化、各目標の対象範囲の共有化を図るために、現状の業務プロセスを早期に可視化(モデル化)し、業務プロセスモデル(全体版)を作成する予定です。
 また、個々の目標においても詳細に業務プロセスを分析して改善内容を明確にするとともに、その結果を業務プロセスモデル(全体版)へ反映し、関係者間で常に共有することとされています。
(1)情報交換
【入札契約】

目標−1. 入札契約情報の提供方法の工夫による情報収集効率の向上
目標−2. 入札説明書のインターネットを通じた配布による調達手続きの効率化
目標−3. 契約手続きの電子化による調達手続きの効率化

【電子納品】

目標−4. CADデータ交換標準の改良による情報交換の効率化
目標−5. 3次元情報の利用を促進する要領整備による設計・施工管理の高度化

(2)情報共有・連携
【入札契約】  

目標−6. 入札契約手続に関するシステム間連携による調達手続きの効率化    

【電子納品】

目標−7. 地質データの提供による調査分析・施工計画の精度向上
目標−8. 施設情報を提供して技術提案募集によるコスト縮減と品質確保      
目標−9. 完成図を利用した管理図の蓄積・更新の迅速化・効率化
目標−10. 維持管理データベース更新の迅速化・効率化
目標−11. GIS管理図に重ね合わせた施設情報管理の効率化
目標−12. 現場からの情報取得による作業の効率化
目標−13. 情報モデルの管理によるシステム間の情報交換・共有・連携の促進

【共通】

目標−14. 取組状況の公開と研修テキストの共有による全国的展開の促進      

(3)業務プロセスの改善
【電子納品】

目標−9. (再掲)完成図を利用した管理図の蓄積・更新の迅速化・効率化    
目標−10. (再掲)維持管理データベース更新の迅速化・効率化
目標−15. 数量計算をCADで可能とする体制整備によるコスト縮減

【工事施工中の情報共有】

目標−16. 工事施工中の情報交換・共有の効率化              

(4)技術標準

目標−17. 情報共有・連携に向けた必要な標準の整備              

(5)国際交流・連携

目標−18. CADの高度利用へ対応した国際標準機関との連携           

4. 港湾CALS推進目標

 国土交通省港湾局では、港湾事業に対応する「公共事業支援統合情報システム」の構築に向けて、選定された上記目標について、港湾CALSとして達成すべき目標を“港湾CALS推進目標”として以下のように設定されました。
(1)情報交換
【入札契約】

 ◆入契情報ポータルサイト化
 ◆入札説明書等ダウンロード化
 ◆電子契約システム
【電子納品】
 ◆CADデータ交換標準の改良
(2)情報共有・連携
【入札契約】

 ◆入札契約手続の効率化
【電子納品】
 ◆完成図の蓄積・更新
 ◆港湾施設DBの統合
【共通】
 ◆取り組み情報の発信、研修実施
(3)業務プロセスの改善
【電子納品】

 ◆二次元形状の数量計算
 ◆標準帳票XML化
【工事施工中の情報共有】
 ◆工事帳票管理システム
(4)技術標準
 ◆情報共有・連携に向けた必要な標準の整備
(5)国際交流・連携
 ◆CADの高度利用へ対応した国際標準機関との連携
(図−2 港湾CALS推進目標 参照)

図−2 港湾CALS推進目標
図−2 港湾CALS推進目標

5. おわりに

 港湾CALSを推進するにあたり、「港湾CALS推進本部」を設置し、港湾CALSで利用される各システムの開発・改良等に関して審議を図ることになっています。
 また、官学民の有識者・関係者にて構成される「港湾CALS・IT化検討部会」も開催され、港湾CALS推進に関する審議が行われています。



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