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総合評価落札方式は、価格と価格以外の要素を総合的に評価して落札者を決定する落札方式であり、公共事業では平成11年度から実施されています。以下、本稿は国土交通省港湾空港事業においての総合評価落札方式に係わる経緯と実施状況について簡単に紹介致します。
総合評価落札方式は、従来の価格のみによる自動落札方式とは異なり、価格と価格以外の要素を総合的に評価して落札者を決定する落札方式であり、入札者から提示された技術提案と価格について総合的に評価を行うことにより、価格その他が国(または地方公共団体)にとって最も有利な提案を行ったものを落札者として決定する方式です。
平成17年4月「公共工事の品質確保の促進に関する法律」(以下「品確法」という)、平成17年7月「入札談合の再発防止対策について」(国土交通省入札談合再発防止対策検討委員会)(以下「談合再発対策」という)がとりまとめられ、さらに「品確法」に基づき、「公共工事の品質確保の促進に関する施策を総合的に推進するための基本方針」(以下「基本方針」という)が平成17年8月に閣議決定され、具体的措置として総合評価方式の拡大と充実が掲げられました。
そして、「基本方針」や「談合再発対策」が定められたのに伴い、「簡易型総合評価落札方式の実施に伴う手続について」(平成17年10月)、更に「港湾空港等工事における品質確保促進ガイドラインについて」(平成17年10月)が通知され、競争入札に付する工事の全て(特に小規模な工事を除く)について、総合評価落札方式を適用する方針が出されるなど、総合評価落札方式の拡大と充実が進んでいます。現在の総合評価落札方式の適用にあたっては、当該工事の技術的難易度(技術的な工夫の余地)や見積価額(工事規模)に応じて図−1からいずれかの方式を選択し、競争に参加する者から技術提案を求め、予め各発注者で設定した評価基準(実現性、安全性等)及び得点配分に基づき、技術提案の点数付け(評価)を行うこととなっています。
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図−1 工事における技術的能力・技術提案の評価・活用
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| 3. 港湾空港事業における総合評価落札方式の適用例 |
国土交通省地方整備局港湾空港部、北海道開発局港湾空港部及び内閣府沖縄総合事務局開発建設部がこれまでに実施した港湾・空港関係直轄工事(受託工事を含む)において総合評価落札方式を適用した工事件数は、平成14年度が21件、平成15年度が61件、平成16年度が46件、平成17年度(平成18年3月1日現在)が35件あります。
(1)評価項目
港湾・空港関係直轄工事で設定実績のある評価項目を標準ガイドラインの中項目で分類しました(図−2参照)。「社会的要請に関する事項」に属する「環境の維持」、「交通の確保」、「特別な安全対策」、「省資源対策又はリサイクル対策」で全体の9割近くを占める一方、「ライフサイクルコスト」は1件しか事例がありませんでした。また「性能・機能」では、空港や橋梁、及び臨港道路の舗装工事における「供用性」と「耐久性」の2項目しか設定実績がありませんでした。工事価格以外のコストや、工事目的物の性能・機能に関する評価項目は、標準型以下の総合評価方式には該当するものが少ないと考えられます。
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| 図−2:港湾・空港関係直轄工事で設定実績のある評価項目の分類(単位:評価項目数) |
(2)加算点の配点の割合
港湾・空港関係直轄工事では、加算点の満点を10点にする通達(いわゆる新通達)の施行前も含めて平成17年度までの実施例で、評価項目を必須評価項目として評価した事例はありません。そのため、全ての事例において評価値は(標準点+加算点)/入札価格で算出されています。
また、1事例を除き、他は全て新通達の施行後の工事であったことから、加算点の配点割合は、新通達で標準的な設定とされている標準点:加算点=100:10が最も多く用いられています(図−3参照)。
※「簡易型総合評価落札方式に実施に伴う手続きについて」(平成17年10月)で加算点の範囲は10〜50点と改正されています。
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| 図−3:適用事例における加算点の配点の割合(単位:件) |
(3)加算点の評価方式
加算点の評価方式は、ほとんどの事例において、評価指標が数値で設定できる数値方式を適用しています。続いて判定方式の適用が39事例あり、順位方式を適用した事例はありません。(図−4参照)
※図−2、図−4の合計数と工事件数に差があるのは、1工事で複数の評価項目、評価指標が存在する場合があるからです。
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| 図−4:適用事例における加算点の評価方式(単位:評価項目数) |
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