国際的視点から見た民間の創意工夫力・技術力を活かすための入札契約について
ITを活用できる土壌つくり

 日本でも勝組の企業では、CEOとCIOの関係がきちんとできています。なぜなら、ITがあるのにITを使わない経営はありえないからです。ビジネスのインフラなんです。高速道路網と新幹線があるのに、一般道路と在来線を使って経営しようということはありえないでしょう。
 アメリカにCIOが多いということは、厳しい競争社会にあって、ITが当然、今後の経営を左右するという必要性を十分認識した上で、CIOを育成するプログラムが必然的にできたということだと思います。
 問題は、日本にはCIOがほとんどいないことです。情報システムを知っている人はいても。経営が全く分からない。だからビジネス意識が低い。また日本の民間企業ではCIOを育成するプログラムがありません。
 CEOがITの重要性がわからないから、そうなってしまった。本来、CIOを育成するには、営業や海外駐在も経験させるなど幅広い教育をしないと無理です。
 ITという言葉を使っている人はいるけれども、ITとはテクノロジーでありバイオテクノロジーや環境テクノロジーなどと同様、経営戦略に必須のテクノロジーなのです。
 繰り返しますが、ITの活用をCEOが理解できているところはCIOも育っているし、当然、結果も出てきています。まだITをどうするかといっているところは、どんどん利益も減り、四苦八苦している。
 さすがに経営者は今やITに対して勉強不足や認識不足ではいられなくなったわけです。
建設業の経営戦略とIT

 民間企業の中でも建設業の経営戦略とITという点について考えてみると、別に建設業・建設分野だからといって特別なことはありません。
 大手ゼネコンではCIOがきちんとやっています。ただし、中小企業では遅れが目立ちます。これは、ビジネスモデルが悪いというよりも業界体質なんです。すなわちITがなくても仕事ができるような受注システムであったと思います。
 ITは現在のこの構造を変えてしまう可能性があります。ここ1年のプロ野球界を見てもはっきりしています。即ち既存のプロ野球球団のオーナーは、これ以上、お金をかけるのは無理だといった。ところが、もっと儲かるといったのはソフトバンクの孫氏、楽天の三木谷氏、ライブドアの堀江氏だったわけです。彼らはネットというテクノロジーをわかっている。彼らはネットワークで儲ける方法をわかっているから球団を売ってくれとなった。まさに経営戦略の差異です。結果は見ての通りです。第2弾がライブドアとフジテレビの事件です。この事件でフジテレビの人たちはネットのテクノロジーの可能性を理解したのではないでしょうか。
「生き残る」から「生まれ変わる」へ

 建設業は、これから厳しい状況になっていきます。その中で、Information Technologyの戦略を十分意識して導入していく必要があるわけですが、ここで重要なキーワードは「生まれ変わる」ということです。
 「生き残る」のではなく「生まれ変わる」。生き残ろうと思うから守りに入る。生まれ変わらなくてはいけない。これが意味するところは全然違います。日本の場合、それをやらなくてはいけません。点滴して延命措置を施してもしょうがありません。そして、官側が生まれ変わりを支援する。現状では生き残りの方を助けるよう動いています。
 では、どう生まれ変わるか。それは建設業でなくてもいい。他の業種に変わってもいい。それはマインドの問題だけです。
行政の経営戦略とIT

 日本の行政は、民間の勝組、負組に例えれば、負組になっています。それは時代の波に乗っていないからです。要するに変わらない。10年経っても仕事の方法や意識が、世の中にまったく付いていっていないからです。
 しかし、実は最もITが効果を上げられるのが行政セクターです。なぜかというと、物理的に土砂を運んだり、鉄骨やコンクリートを組むことを官は一つもやっていません。官がやっているのは情報処理だけです。いわば、行政は情報処理産業なのです。ここにITを使わない手はありません。
 問題は使い方が下手でITをツールとしても使っていない点です。
 役所は相変わらず紙で仕事をしています。ペーパーレスになっていません。
民間では、オフィスのペーパーレス化が進んでいます。さらには机そのものも固定していない。仕事は空いている席に座ってするところもあります。ネット上に情報があるから、それで仕事ができるのです。
 役所では、紙があるから自分の席に戻らないと仕事にならない。ITが開くライフスタイルが使えないのです。戦略以前の問題です。民間は非常に軽やかに動いています。オフィスの紙をなくす事が行政IT化のヒントです。紙の山の中でIT戦略会議など、私に言わせるとパロディです。

IT革命の歴史
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