エコステージ(環境経営評価・支援システム)とは、企業が環境経営に取り組むときに、ユーザーに応じてレベルを自由選択しましょう、例えば、最初の取り組みはISO14001のように立派な仕組みでなくてもいいから環境に対する取り組みを展開したい、ISOは取得したが更にパフォーマンスを上げたい、といった企業の自主的な取り組みを支援していこうとするもので、1998年に生まれました。 従って、基本的には企業の自己宣言を重視しています。そして取り組みの際は関係するサービスでつながった複数の組織が支援できる仕組みをつくる。ただし、馴れ合いになってはいけませんから評価機関が企業の自己宣言の妥当性を評価し、第三者評価委員会が評価書を発行したり意見を述べることとしています。そのため、この中には、環境関係の市民団体やNPO、個人の方にも参加していただいています。 ですから、エコステージは、世界標準であり世界的にも通用する認証という形で社会にもPRできるISOと競合、重複するものではありません。ISOを補完するというと、たいそうな言い方になりますが、ISOでは大きな仕組みで小回りが効きにくいところをバラエティに応じて補完していくということです。 企業にとってはいろいろな取り組みが前向きに進んでいることが重要です。それをすくい上げていく仕組みにしたいというのがエコステージの考えです。 ですから、評価していく、育成・支援していく、公表していく、を3つの原則の基に進めています。(図―2)
また、エコステージは、企業の環境経営を評価する方法として、システム評価点とパフォーマンス評価点の両方を算出できる仕組みを持っています。それに従って環境経営度と企業の実績を見ると、一人頭の売上高と環境経営度はプラスの相関にあります(図−3)。ですから、取り組めば必ず一定の効果として展開されます。
エコステージでは事業者の内部コミュニケーションの実態、監視・測定の実態、経営層の見直しの実態の相関分析をとっています。すると、教育・内部コミュニケーションを一生懸命行えば、経営層の見直しにつながり、監視・測定をきちんとやれば、経営層の見直しにつながるという相関係数が0.6以上ありました(図−4)。
つまり、エコステージでは、マネジメントそのものを客観的に見て社会的意味の検証の対象にしようということです。うまくいったと言うだけではなく、どの部分がつながっているのかを主観を排して分析をしていきたいということです。 |
港湾については、千葉港湾事務所の取り組みを勉強させていただきました。 ISOの取り組みはオフィス活動と施工管理業務に限定されているということですが、やはり本来の業務の環境的側面は、環境保全型の事業の推進を図り、その中で成果を生み出していくことであり、東京湾の自然再生や環境再生を視野に入れて、浅場の造成や青潮の発生を軽減することでしょう。これを、構想のレベルから具体的な環境マネジメントの目標・目的の設定にブレイクダウンしていくには、当然、予算との関係も調整しながら進めてゆかないといけない。そういった面的な浅場造成には時間がかかり、事業採択まで含めると中・長期的に考えないといけない。他方で耐震強化岸壁の設計では、すでに技術的な完成度もあることから事業検討を行いたいということでした。 港湾関係の事業は、環境的側面として興味深い面があります。問題はそれを環境マネジメントの対象として目標・目的設定の中に加えるかどうか。加えると当然、達成しましたかと問われる。加えなくてもミッションとして行っていきたいという気持ちは変わらない。ですから、加えることのインセンティブがなければ、わざわざ加える必要はないわけです。そこをどう進めるか。具体的に事業として進むとなると、施工計画書のレベルや業務点検シートのレベルに落ちてくる。このレベルになれば、審査員の方々から報告をいただける面白い事例として扱えるレベルと思います。どのようにここまで持っていくかが、まず重要です。このような具体事例が生み出されてくると、それが実態として動くので、構想レベルを実際のアクションのレベルに落としていく事業企画という一つ手前の行為もEMSに現われてくると思います。 それから、利害関係者とのコミュニケーション。これはクレームがあったか、クレームに対応したかということがしばしばマネジメントにおける点検対象になっていますが、これではまだ受身だと思います。むしろ、利害関係者が潜在的に持っているものをいかにとり上げるかといった積極的なコミュニケーションのマネジメントが非常に重要です。いい事業をするには前向きの姿勢が必要だと思います。 コスト削減については、コスト削減ができてかつ環境に良いものが初めからあれば誰でも採択します。むしろ、コストは高いが環境にいいことを事業に組み入れていく。技術基準に内部化していく。行政が採用する方法−モデル事業やパイロット事業−も、そういう性格を持つと思いますが、モデル事業・パイロット事業は、やはりモデル事業・パイロット事業であって裾野が広がっていくような仕組みはなかなかありません。先進性を問われる部分ですので、やはり本来的に事務・事業の内部に入れていくような仕組みを考えていかないといけないと思います。 |
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