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ガバナンスを効かせて 行政の情報化を

●魅力ある建設業のために

川島  「失われた10年」といわれた間、実は日本の製造業の生産性は上昇を続け、現在の国際競争力に結びついていますが、残念ながら日本の建設産業の生産性は年々下降線を辿っています。これを上昇させるため、どうIT化が貢献できると思いますか。

木内  なぜ90年以降から建設業だけ生産性が落ちて、他産業から離されたのか。確かにバブルの影響がなかったとはいえませんが、今になっても上がっていく兆しはありません。やはり構造的な問題だと思います。情報化という面から見れば、特に実際の生産現場は旧態依然です。しかし、その仕組みを変えれば合理化できると思っています。例えば労務管理。現場ではどんどん人が入れ変わります。ここでは新規入場者管理という作業があります。新規入場してきた人に対して資格の有無や病気の有無といったアンケートをとり、安全教育を毎朝繰り返し行う。しかし、昨日まで別の現場で全く同じことをやっていた人にとっては無駄な作業です。そこで建設労務に就く人を登録してIDを発行すれば、すぐに身元が確認できます。これだけでどれだけ生産性が上がるか。そのような手間が掛かっている作業が現場にはたくさんあります。
   それから、建設業にはサプライチェーンマネジメントという概念がありません。資材の共同購買、集中購買などはありますが、本当に一番欲しいものを安く手に入れる仕組みができていない。もちろん在庫を持たない生産システムを行うことから、必要なものを必要な時に届ける仕組みを構築していくわけです。しかし、他の製造業や一般産業が進めている合理化から見るとまだ進んでいないと思います。
   このような状況から、営業の人たちや現場の作業をつぶさに見て、何をやったら生産性に寄与できるかを拾い上げていこうとしています。他産業と比較した時の労働生産性の差は本当に釈然としません。このようなことを長く続けていたら建設産業に希望を持って来てくれる人がいなくなると思います。そこは早く手を打っていかないといけないと思っています。

川島  土木を選ぶ学生が少なくなった背景として、談合問題などのマイナスのイメージがいわれています。古いしきたりとの決別が宣言され実行されていますが、基本的にはきちんとしたやりがいのある仕事、職場にしていく必要があると思います。

木内  本来はものづくりの現場ですからやりがいはあるはずです。人間の活動で一番面白いのは、無から有をつくっていくところですから、基本的な魅力は絶対にあるはずです。

川島  本日はどうもありがとうございました。



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