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改良工事に際しては、防波堤自体の価値が極めて高い事を鑑み、あらかじめ明確な基本方針を定め、これにより実施することとしました。
1.組織体制の明確化
工事の監督員のみならず、事務所の所長、技術副所長を責任者として、計画・調査・設計・実施が一体となり、それぞれ任務分担を定め、綿密な打ち合わせを行い、諸問題に対応することとしています。また、監督員と請負者は必ず毎日朝夕2回の打ち合わせを行い意志疎通に努め、その内容を関係者全員に周知し全員が進捗状況等を把握できる体制としました。
2.用語の統一
「捨塊」(すてかい)など建設当時の名称の踏襲、関係者の共通の認識と工事の円滑化を図るため用語の定義を統一しています。「復元」という言葉は北防波堤を文化財として扱うことを意識しています。
3.作業手順の明確化
一連の作業においては、工事概要で記述した作業手順のさらに詳細を定めて受発注者の全員が共通の理解のもと工事を進めることとしています。
4.捨塊の取扱い
本工事で取り扱う捨塊は、海中で100年間破壊せずに形状を保った貴重なコンクリートであり、土木の世界を越えて「文化」的にみて非常に貴重な構造物になる可能性を考慮し、細心の注意をもって施工することとしています。一つとして、廣井博士が「小樽築港工事報文」を現在に残したように、本工事の記録を後生に残すべく、施工区域内の全ての捨塊の位置状況を克明に履歴として記録しています。
5.捨塊の管理方法、復元基準
撤去に先立ち、斜面部、階段部の全ての捨塊の現位置の測定、写真撮影、管理コード番号を付し現況平面図(図−3)を作成したうえで撤去にかかり、陸揚げ後は所定の管理コード番号の取付け、長さ、幅、高さの測定とその状況写真の撮影と、これら全ての情報を「捨塊管理簿」としてとりまとめています。
撤去した捨塊は全て改良工事で利活用しますが、港外側の復元では形状の良好な捨塊を用いるため、現場で選定する際の指針として、復元に関する判断基準(フロー図)を定めています。
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| 図−3 捨塊現況図 |
6.捨塊の撤去
斜面部の捨塊の撤去方法は大回しを使用しますが、階段部は当時と同じ閂(かんぬき)という吊り金具を使用します。この閂の利用可否が今後の工事工程等に大きく影響することになります。
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| 写真−2 捨塊仮置状況 |
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| 写真−3 捨塊撤去状況(閂) |
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