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ある調査で、企業の中でCIOにはだいたいどのぐらいのランクの人がなるのか調べたところ、現在ではほとんどが役員ということになっています。企業によっては副社長が就いているところもあります。それだけCIOの機能は幅広く重要なもので、ウエイトがずっと経営に近づいてきたということです。
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| 図―2 |
行政はどうでしょうか。どこの省庁もCIOは官房長官で、経済産業省だけが事務次官となっています。情報システムのことを理解できると思えない官房長官が、CIOを務めるのはおかしいと思うかもしれませんが、官房長官なら組織のすべてを睨むことができるので最適です。より専門的なことについては、民間からプロをCIO補佐官として迎え入れて、補佐を受けることが一般的です。このように行政も企業も、CIOの機能と課題がどんどん変わってきています。(図−2)
基本的に日本の場合には、アメリカやヨーロッパと比べてCIOの認知度が低いため、専任ではなく兼任者が多くなっています。アメリカの役所は全部専任です。また、CIOを置いた場合と置かなかった場合の結果分析をしてみると、CIOが絶対的なファクターであるとはまだいえないようです。しかし、CIOがいたほうがより効果的な面があるという例はいくつかあります。
グローバルカンパニーになると、パートナーであるアメリカやアジアの企業とのつきあいを円滑にするために、相手と同じ役職が必要になります。アメリカではほとんどの企業にCIOがいますから、日本の企業もCIOを置く必要が出てきます。相手が、「私はCIOだから、日本の会社のCIOを呼んでください」と言った時に、どこにいるのかわからないというのでは話になりません。
日本の企業にも、CIOを養成してもらわなければいけません。CIOは、世界中の子会社や系列会社、パートナーとのネゴシエーションをするのが仕事になります。昔のようにIT部門の責任者=CIOという時代ではありません。ですから、今後は、様々なセクションを経験していくような教育訓練が若い時から必要になってくるのではないでしょうか。
ただし、いくらCIOを置いても、CIOが機能しやすい組織の構築ができていないと意味はありません。経営の一端にCIOがいても誰もその声に耳を傾けないような組織だったら、うまく機能しません。独立採算の本部制を取っている企業で、各本部から1人ずつCIOオフィスに課長クラスの人材が入ってチームを組むといった工夫をして、CIOが機能する組織を構築しなければいけません。
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