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港湾CALSでは、2001年度にモデル事業として一部工事において電子納品が開始され、2002年度には予定価格が1億円以上、翌年には全案件が原則として電子納品対象となりました。 しかしながら、提出された電子納品物が電子納品要領・基準類に準拠して作成されているかどうかを検査するツールとしては、国土技術政策総合研究所(つくば庁舎)から一般公開されているものしかなく、これは港湾事業に適用する運用ガイドライン、CAD図面作成要領の定める規定に対応していないため港湾事業においては、十分な検査が不可能でした。 また、竣工検査の際には相変わらず書類を中心とした検査が実施され、受注者は電子納品データの作成の他に、従来通りの竣工書類の作成を求められていました。 そこで、港湾事業において作成される電子納品物の検査に適応した検査機能と納品された電子納品物を利用して竣工検査を実施する機能を備えるツールが求められました。 ここではその機能を持つツールとして国土交通省港湾局、並びに国土技術政策総合研究所(横須賀庁舎)のご協力の下、共同開発することになった「電子納品物検査支援システム」の開発について紹介します。 |
本システムの開発に際して、電子納品データの閲覧機能における迅速性の重視と複数枚からなる電子納品物に対応するために、一旦全ての電子データを使用するパソコンのハードディスクにコピーする方式を採用しました。 また、電子納品要領でファイル名称が英数字の組み合わせによる8文字に規定され、ファイル名称からその内容を判断することが困難なため、閲覧画面で表示される書類は管理ファイルに記載された情報を駆使して日本語の表示を行うものとしました。 |
本システムは、前述した要望を満たすべく、以下の機能を実装しています。 ・電子納品要領、運用ガイドラインに準拠して作成された電子納品物かどうかチェックする ・電子納品物に格納されている電子データを使って竣工検査を実施する |
電子納品物をチェックする項目として、以下の機能を有しています。 【管理ファイル関連】 ・各管理ファイル(XML)の構文 ・フォルダ名称、ファイル名称 ・必須項目の入力漏れ ・入力データの文字形式、文字数、禁則文字 ・管理ファイルに記載されたオリジナルファイルの有無 【オリジナルファイル関連】 ・オリジナルファイルのファイル名称 ・図面ファイルのレイヤ名称(SXF形式に限る) ・PDFファイルのしおりの作成、サムネールの埋め込み これらのチェックを行った結果を一覧画面として表示し、その内容の印刷、並びにCSVファイル形式での出力ができます。(図−1参照)
さらに、エラー一覧画面においてエラー項目をダブルクリックすることによって、エラーが発生している当該管理項目を表示してその場で確認できます。(図−2参照)
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電子納品物に格納されている各管理ファイルの内容を表示して確認する機能の他に、電子納品物を利用した検査を想定し、通常の書類を使用した場合と同様に、要求された書類を素早く検索するために以下の機能を有しています。 ・電子データを管理ファイルに記載されている内容説明情報を利用して日本語で表示する ・打合せ簿を[打合せ簿種類][管理区分]毎に仕分けして表示する ・写真を[写真区分][工種][種別][細別]の順に階層構造に仕分けして表示する ・書類を一覧表示した際に入力情報毎にソートする ・個々の書類に関する管理ファイル項目を表示する ・オリジナルファイルの閲覧ソフトを利用してファイル名をダブルクリックすることで内容を表示する これらの機能を利用し、書類を表示させるまでの手順をイメージアップに関する書類を打合せ簿データから選択する場合を例として示します。 (1)閲覧画面の表示(図−3参照)
(2)打合せ簿の下の階層を表示させ[報告]フォルダをクリックして格納されている電子データの一覧を表示する(図−4参照)
(3)詳細画面表題の[打合せ簿名称]をクリックし文字コード順にソートする(図−5参照)
(4)詳細画面を下にスクロールして求める打合せ簿名称の行でダブルクリックして書類の管理項目を表示する(図−6参照)
(5)見たい書類のオリジナルファイルをダブルクリックして表示する(図−7参照)
以上の操作で電子納品された書類の中から目的の書類を確認することができます。 同様に、工事写真についても[写真区分][工種][種別][細目]の順に階層区分されたフォルダを利用して素早く表示することが可能です。 |
本システムを運用するに当たり、以下の課題があります。 (1)電子納品要領では場所情報に見られる条件付きの必須項目等、運用に依存する部分があるため、チェック部分のプログラム構造が複雑になりチェックに時間がかかっている。 (2)本システムを利用して書類を選択するには、前述したようにソート機能を利用することを前提に、管理ファイルの[書類名称]項目に判別可能な名称を入力する必要がある。 (1)の課題については、プログラムの見直しによって改善を図る必要があります。 また、(2)の課題については、港湾事業では工事帳票管理システムで電子書類を起票する際のサブタイトルがこの[書類名称]の項目に該当するため、工事帳票管理システムの利用方法に関する留意事項として、サブタイトルに入力する名称に関する周知、教育が重要となります。 |
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