Scope View
平成14年度SCOPE研究開発助成制度助成研究の決定について
建設マネージメント研究所


 
5.総合評価落札方式の評価方法(性能等に関する必須評価項目のみを評価する場合)

 性能等に関する必須評価項目のみを評価する場合の落札者選定に際しての「得点」と「コスト」の考え方は図−2のとおりです。「得点」とは、技術提案として入札者から提示された「性能等」の「価格以外の要素」を点数化したものです。

I)コストの考え方
 「予定価格」は「目標状態」を達成するコストとして、「基礎点コスト」と「総合評価管理費」を加算した額となります。

基準となるコストの式

II)得点の考え方
 評価項目について基礎点が与えられる状態を上回る技術提案が行われた場合は、評価に応じて、+αの得点、すなわち「加算点」が与えられます。技術提案の評価として与えられる得点は次式で表されます。

得点の基本式

III)落札者の選定方法
 落札者は、以下の3つの要件を満足する提案を行ったものの中から選ばれます。
 
3つの要件

 3つの要件を満足する提案を行った中で次式の評価値が最も高いものを落札者に選定します。

評価値
性能等に関する必須評価項目のみを評価する場合の「得点」と「コスト」の関係
図−2 性能等に関する必須評価項目のみを評価する場合の「得点」と「コスト」の関係
総合評価落札方式で行う評価値を用いた落札者選定の概念図
図−3 総合評価落札方式で行う評価値を用いた落札者選定の概念図
(性能等に関する必須評価項目のみを評価する場合)
表−3 用語の説明(図−2、3)
得点関係 「基礎点」 発注者が示す標準案の技術要件を満足している状態に与えられる得点
「目標状態」 発注者が技術提案の募集により達成することを目標とする状態(入札者の技術提案が目標状態の技術的要件を全て満足した場合に得点の満点として「100点」が与えられる)
コスト関係 「基礎点コスト」 必須評価項目に対する最低限の要求内容を満足して基礎点が与えられる状態のコスト
「総合評価管理費」 「基礎点コスト」を基準として、目標状態までの性能等の向上に必要なコスト
評価値関係 「基準評価値」 基準評価値=100点(=目標状態の得点)/予定価格(=目標状態のコスト)落札者選定の基準となる評価値について最低限の得点コスト比を定めたもの。


 
6.総合評価落札方式の評価方法(性能等に関する必須以外評価項目のみを評価する場合)

 発注者として積極的に評価したい事項の全てについて性能等の向上に必要なコストを算出する方法が、予定価格の一部として考慮するために十分な信頼性が確立されていない場合や、必要なコストは考慮しないものの性能等の向上について技術提案の内容を得点(加算点)として評価する場合には、全ての評価項目を総合評価管理費を計上しない必須以外評価項目とすることも可能です。

I)コストの考え方
 必須以外評価項目は、性能等の向上に必要なコスト(=総合評価管理費)を計上しないことから、必須以外評価項目のみ評価する場合は、発注者が示す標準案の状態を満足する場合には100点が与えられ、この状態のコストが予定価格となります。

基本となるコストの式

II)得点の考え方
 必須以外評価項目のみ評価する場合は、発注者が示す標準案の状態を満足しているかを判断し、満足している場合には「標準点」(=100点)を与えられます。そして、必須以外評価項目の性能等について標準案の状態を上回る提案に対しては、標準案を基準として必須以外評価項目の評価に応じた「加算点」*)が与えられます。

得点の基本式

III)落札者の選定方法
 落札者は、以下の3つの要件を満足する提案を行ったものの中から選ばれます。

3つの要件

 基準評価値は「基準評価値=100点(=標準点)/予定価格」で示され、標準点(=100点)に必須以外評価項目の加算点を加えた点数を得点として、次式の評価値が最も高いものを落札者に選定します。

評価値

総合評価落札方式で行う評価値を用いた落札者選定の概念図
図−4 総合評価落札方式で行う評価値を用いた落札者選定の概念図
(性能等に関する必須以外評価項目のみを評価する場合)

*)必須以外評価項目のみを評価する場合の「加算点」の設定方法については、当面の運用として、標準的には標準点を100点、加算点を10点とし(これは当面、提案技術の評価割合を標準的には1割と設定することを意味)工事の内容等に応じて加減することとし、加算点の評価方式は、表ー4のいずれかとすることとしています。

表−4 性能等に関する必須以外評価項目のみ評価する場合における加算点の当面の評価方式
性能等を数値化できる場合

(1)数値方式

評価項目の性能等の数値により点数を付与する方式
性能等の数値化が困難で定性的に表示せざるを得ない場合 (2)判定方式 優/良/可で評価、判定する方式(この場合、標準的には、それぞれに10点/5点/0点を付与)
(3)順位方式 入札参加者を順位付けし、順位により点数を付与する方式(この場合、標準的には、入札参加者の最上位者に10点、最下位者に0点を付与し、中間の者には均等に按分して点数を付与)


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