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台風14号の爪あと

 沖縄の宮古、八重山諸島は「台風銀座」と称されるほど毎年いくつかの台風に襲われます。先だっての台風14号は30年来の猛烈な台風でした。宮古島を中心に被害が甚大で、亡くなられた方が一人、負傷者が90人以上、また、陸海空路が完全マヒ。被害総額の最終速報値は119億円、農作物被害が29億円以上と報道されています。大きな災害を伴った異常現象には気象庁長官が特別な名称を付けますが、過去に、昭和34年9月の「宮古島台風(サラ)」、昭和41年9月の「第2宮古島台風(コラ)」、昭和43年9月の「第3宮古島台風(デラ)」と3個も「宮古島」と付いた台風があります。しかも、コラは最大風速60.8m/s、瞬間最大風速85.3m/sで後者は観測史上一位であります。今回の台風14号もやはり9月の台風で、宮古島で最大瞬間風速74.1m/sを記録し、観測史上全国では7番目、沖縄では4番目となる猛烈な風でした。
 沖縄気象台によると、宮古島が暴風域に入っていた時間は10日午後5時から11日午後5時までの約24時間。10日午後9時には最大風速が55メートルの「猛烈な台風」となり、11日午前3時には、中心気圧が910hPaに下がり、「猛烈な台風」はゆっくりと午前5時前に宮古島を通過しました(図1、写真1参照)。海洋のデータをまとめている長崎海洋気象台によると、10日の沖縄近海の海面温度は29度から30度で、この高い水温で台風に水蒸気が供給され、勢力が弱まらなかったとしています。

台風14号の目
写真1-台風14号の目

台風14号進路
図1-台風14号進路


 被害の状況は、陸では軽トラックが持ち上げられて横転し、なぎ倒された電柱は250本(写真2参照)。宮古島を中心に1万7千世帯が停電、電話の不通が1041本でした。海では漁船が3隻沈没し、暴風に飛ばされた漁船もありました(写真3参照)。空では先島発着便を中心に欠航が相次ぎ、計120便、8094人に影響が出ました。また、宮古空港管制塔の二重の窓ガラスが割れ、通信機器が使用不能となりました(写真4参照)。
 被害甚大な宮古島の復旧などのため、12日夜、那覇港から復旧用物資や食料品、150本前後の電柱や大型の発電機20台以上、30ほどの冷蔵コンテナなどを満載した船が宮古島の平良港へ向かいました。 
 この度の港湾・海運の貢献、活躍は目覚ましく、また、島嶼県沖縄における港湾の重要性が一般市民に改めて認識されたことを踏まえますと、港湾整備支援にあたるSCOPEの我々の責務の重大さと誇りをますます感じさせる機会でもありました。

なぎ倒された電柱
 写真2-なぎ倒された電柱

暴風に飛ばされた漁船
 写真3-暴風に飛ばされた漁船

使用不能になった管制塔内
 写真4-使用不能になった管制塔内

(図、写真は全て沖縄タイムス紙から)
 


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