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ユニットプライス型積算方式について
 
1. はじめに

 ユニットプライス型積算方式(以下、ユニットプライス方式)は、国土交通省直轄工事においては平成16年12月から新設の舗装工事を対象として試行が開始されています。空港工事では、平成17年12月から改良舗装で試行が開始され、港湾工事でも平成17年度中に根固め方塊製作工で試行が開始される予定です。このユニットプライス方式は、従来の積上げ積算方式(以下、積上げ方式)にかわる新しい積算方式で、平成15年3月の「国土交通省公共事業コスト構造改革プログラム」の具体的施策の一つとして位置づけられています。
 積上げ方式は、実際に工事を想定しながら労働力や資材、機材の調達から施工などのプロセスに必要な費用を積上げることによって算定する従来から実施されている方式です。一方、ユニットプライス方式は、発注者と元請業者の契約の合意単価をデータベース化し、以降の積算に用いる新しいタイプの積算方式です。以下、本稿は国土交通省で進められているユニットプライス方式の内容の一部について簡単に紹介します。
2. ユニットプライス型積算方式の概要

 図−1は、工事における取引イメージを示しています。積上げ方式では、取引Cに対する資材価格調査等や取引Bにおける市場単価を工事実施に伴い調査・分析し、標準的な歩掛りや単価を設定し積上げる方式となっています。
 しかし、発注者は取引B・取引Cの契約当事者でないため、聞取り等による調査に頼らざるを得ません。その結果として価格の信頼性等は自ずと限界があるとの指摘もあります。
 一方、ユニットプライス方式は、発注者と元請業者の取引である取引Aを基本とするため、発注者は取引の当事者である元請業者から、直接的に取引情報を把握することが可能であり、契約毎に自動的に単価を収集することができます。
 このように、ユニットプライス方式への転換により、積算価格の的確性・市場性が向上することになります。このとき、施工単価の実績を得るために、従来の総価契約方式でなく総価契約単価合意方式を採用することになります。

図−1 工事の取引イメージ
図−1 工事の取引イメージ
3. 諸経費の取扱い

 積上げ方式では、まず直接工事費の総額を算出し、それに共通仮設費率を乗じて共通仮設費を算出します。これにより得られる純工事費(直接工事費+共通仮設費)に現場管理費率を乗じて現場管理費を算出し、最後に工事原価(直接工事費+共通仮設費+現場管理費)に一般管理費率を乗じて一般管理費等を算出し、これらを合算して工事原価を算出するようになっています。
 一方、ユニットプライス方式では、工事目的物と価格の関係を明確にするため、現行積算では率計上されていた間接工事費(共通仮設費、現場管理費)の内、施工数量に連動して増減するものについては、各直接工事費ユニットに含めることにしています。
 また、各直接工事費ユニットに共通して工事全体にかかる間接工事費や積上げをしていた項目(各工事ごとに異なるため、標準化できない項目)は、別途、間接工事費ユニットとして個々に独立したユニットとして扱うことになります。
 企業の継続運営に必要な経費等である一般管理費等は、一般管理費等として扱います(図−2)。

図−2 ユニットプライス型積算方式における諸経費の取扱い
図−2 ユニットプライス型積算方式における諸経費の取扱い
4.工事費の構成

4−1.直接工事費(ユニット)について
 図−3は、積上げ方式とユニットプライス方式の直接工事費に関する費用の構成を示したものです。積上げ積算方式における直接工事費は、材料費、労務費及び直接経費の合計金額となります。
 一方、ユニットプライス方式における直接工事費(ユニット)は、現行の積上げ方式における直接工事費(材料費、労務費及び直接経費)とこれに連動する間接工事費(共通仮設費及び現場管理費)を含んだものとなります。

図−3 直接工事費に関する費用の構成
図−3 直接工事費に関する費用の構成

 直接工事費(ユニット)のユニットプライスは、過去の合意単価(試行初期は収集単価)の実績により得られたデータを分析して設定した値を適用します。これは、図−4の(1)に示すとおり、直接工事費と共に、共通仮設費(一部)と現場管理費が含まれた金額となります。
 また、データが少ない等の理由によりユニットプライスによる単価設定ができない場合は、現行の積上げ方式による直接工事費と、ユニットプライス算定(率)による、共通仮設費(一部)、現場管理費を合計したユニットプライスを作成することになります。
 ユニットプライス及び、積上げによる単価設定ができない場合は、特別調査または、見積りによりユニットプライスを作成します。この時、費用の中には、材料費、労務費、直接経費と共に共通仮設費(一部)と現場管理費が含まれた金額になります。

図−4 直接工事費(ユニット)の算出方法
図−4 直接工事費(ユニット)の算出方法


4−2.間接工事費(ユニット)について
 ユニットプライス方式における間接工事費(ユニット)は、直接工事費(ユニット)に計上しない共通仮設費で構成します。間接工事費(ユニット)の各ユニット区分は、当該費用に関連する現場管理費を含んだものになります(図−5、6)。

図−5 間接工事費に関する費用の構成
図−5 間接工事費に関する費用の構成

図−6 間接工事費(ユニット)の算出方法
図−6 間接工事費(ユニット)の算出方法

 図−2に示すとおり、積上げ方式で間接工事費を構成していた現場管理費は、直接工事費(ユニット)と間接工事費(ユニット)に分けて計上されます。このことにより、ユニットプライス方式においては、現場管理費は、単独では、構成項目として示されることはなくなります。
 共通仮設費の積算方法について、積上げ方式では、「直接工事費を対象額として率の計算によるもの」「積上げ計算するもの」の大きく2通りに分類されます。
 一方、ユニットプライス方式においては、「直接工事費(ユニット)に含めて計上するもの」「間接工事費(ユニット)として直接工事費(ユニット)を対象額として率計算によるもの」「間接工事費(ユニット)として計上するもの」の3通りに分類されます。
 間接工事費(ユニット)は、図−6の中の(1)の実績データから現場管理費を含んだユニットプライスを適用する場合、(2)の共通仮設費を算出して現場管理費の率を乗じて算出した値を適用する場合、(3)の間接工事費(ユニット)として直接工事費(ユニット)を対象額として率計算による値を適用する場合の3通りの算出方法になります。

4−3.一般管理費等について
 図−7に積上げ方式とユニットプライス方式の請負工事費の費用の構成を示します。ユニットプライス方式は、工事目的物と価格の関係を明確にするため、直接工事費とこれに連動する間接工事費を含め直接工事費(ユニット)を構成します。これに対して、直接工事費に連動しない間接工事費は、間接工事費(ユニット)として構成します。
 このような構成になることから、積上げ方式で間接工事費を構成していた共通仮設費と現場管理費は、直接工事費との関係から、直接工事費(ユニット)と間接工事費(ユニット)に分けて計上され、純工事費を算定する必要がなくなります。

図−7 請負工事費の費用の構成
図−7 請負工事費の費用の構成

 一般管理費等は、企業の継続運営に必要な費用であり、個々の工事から実態を把握することは困難です。積上げ方式では、企業単位で作成される財務諸表を分析し設定した工事原価に対する率式を用いて計上します。ユニットプライス方式においても図−8に示すとおり、積上げ積算方式と同じ率式を用いて計上することになります。

図−8 一般管理費等の費用の構成
図−8 一般管理費等の費用の構成

 



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