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「海外空港(北欧方面)における雪氷対策事例調査」報告

 SCOPEでは、平成14年度以来、空港の雪氷対策のあり方について調査研究を行っています。その一環として、去る2月中旬、北欧方面の積雪寒冷地空港における雪氷対策状況の現地調査を行いました。
 調査概要は、右記のとおりです。
 以下に、調査結果のほんの一部ですが、航空機のデアイシング作業の状況と航空機用防除氷剤に係る環境保全対策の状況についてご紹介します。
 今回調査を行った5つの空港すべてにおいて、デアイシングの防除氷剤の回収が行われていました。特にルレオ空港及びミュンヘン空港においては、回収された防除氷剤(プロピレングリコール)がリサイクルされ、再び航空機用の防除氷剤として利用されており、両空港とも同じシステムが用いられていました。デアイシング作業は専用のエリアにおいて、デアイシングカーにより行われ、エプロン上に流れ落ちた防除氷剤は自然流下により貯蔵タンクに回収されます。回収された液のプロピレングリコールの濃度が5%以上の場合は、リサイクル施設において精製されます。機械洗浄、化学洗浄、蒸留等の過程により、工場生産のものと同じ品質のものが再生されます。Type I のグリコールのみが再生可能であり、再生した製品は新規に購入するよりも低コストであるとのことでした。
 また、ストックホルム空港、ヘルシンキ空港では、デアイシング作業をエプロンで行っていますが、作業後の防除氷剤はバキュームカーで回収され、最終的には下水処理場で処理されます。
 各空港とも、環境保全に対する意識の高さが感じられました。

防除氷剤の回収状況(ストックホルム空港)
防除氷剤の回収状況(ストックホルム空港)

リサイクルの過程を示した標本(上段)
リサイクルの過程を示した標本(上段)(左端が回収直後、2・3本目に
分離され、右に向かって精製されたもの。最後に色を付けて完成品となる。)

【調査概要】
目的: 我が国の積雪寒冷地空港は、雪氷対策が十分になされているとは言いがたい状況があり、積雪寒冷地という特性を踏まえた空港の高質化が課題となっているため、海外先進事例を調査し、今後の空港整備に活かすことを目的する。
期間: 平成17年2月14日(月)〜24日(木)
行先: (1)ストックホルム空港(スウェーデン)
(2)ルレオ空港(スウェーデン)
(3)ヘルシンキ空港(フィンランド)
(4)ミュンヘン空港(ドイツ)
(5)コペンハーゲン空港(デンマーク)
内容: ・雪氷路面対策状況(ロードヒーティング、グルービング等)
・除雪作業状況
・航空機のデアイシング作業状況
・環境保全対策状況(防除氷剤の処理等)
・その他(バリアフリー、利用促進対策等)

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