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去る1月22日、23日の両日にわたり東京・有明において、「CALS/EC MESSE 2004〜CALS/EC&建設ITの展示会・セミナー〜」が開催されました。本催しは、昨年に引き続き、SCOPEとJACIC(日本建設情報総合センター)が共同で主催し、開催にあたっては国土交通省の後援、ならびに多数の団体からの協賛を得ることができました。開催結果の概要につきましては既に前号のSCOPE NET vol.31に掲載されておりますので、本号では展示会来場者のアンケート結果や、セミナー講演の内容を中心にご報告させていただきます。なお、さらに詳細なセミナー講演の内容や来場者へのアンケート結果などにつきましてはSCOPEのホームページに掲載しておりますのでそちらをご覧下さい。(http://www.scopenet.or.jp/cals2004/) |
国土交通省の推進する公共事業分野におけるCALS/ECは、入札情報サービス、電子入札、電子納品、工事帳票管理システム等いよいよ本格的な実施段階を迎えました。本イベントはこうした背景のもと、『本格実施で見えてきた“CALS/ECの効果"を体感する2日間』というキャッチフレーズを掲げ、CALS/EC及び建設ITに関わる最新の情報を提供することを目的として開催されました。来場者のアンケート結果からは、大半の方々がCALS/ECの導入、対応に向けた情報収集を来場の目的とされており、これらの方々に対し、本展示会が充分に満足していただけるものであったことが見てとれます。また、来場者の内訳表によると、ソフトウェアメーカ-に次いで地方自治体関係者の割合が高くなっており、CALS/ECの全国展開に向けた機運の高まりが感じられます。◆展示会来場者アンケート結果(サンプル数:201) ![]() |
1月23日には『公共事業におけるCALS/ECの取り組みと今後の展望』をテーマとするセミナーが開催されました。SCOPE川嶋前理事長及びJACIC豊田理事長の開会挨拶に続いて、国土交通省から来賓としてお招きした金澤技術総括審議官よりご挨拶の言葉をいただきました。また、各界を代表する方々から国内外におけるCALS/EC対する取り組み状況、今後の展望等について貴重なお話をいただきました。 |
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| 【講演要旨】 |
| ○特別講演 |
| 『ヨーロッパにおける建設分野IT化の現状』 |
| 仏マリロワ市長、ヨーロッパ建設CALS/EC協議会儀長 Bernard Longhi氏 |
欧州では、全ての国が電子政府プログラムをスタートさせており、2005年5月が一つのターゲットの年となっている。フランスでは、2002年4月から電子入札をスタートしており、2005年1月からは全面的に、工事、物品、サービスに関する電子入札が義務付けられる。フランスの建設省では、公共事業の入札公告を一元的に公開、発注仕様書などをインターネットでダウンロードするサービスを行っている。CALS/ECのキーワードは「よりよい建設のためのよりよいコミュニケーション」である。単にITシステムを作るのが目的でなく、品質の高い、経済的な施設を建設することがキーポイントになる。それを達成するために、各国が協力して、世界レベルで情報の標準化を図ることが必要となる。 |
| ○講演1 |
| 『大阪府におけるCALS/ECの取り組み』 |
| 大阪府 土木部長 小河 保之氏 |
大阪府は、増えるつづける業務と減り続ける人員、厳しい財政事情のもと、抜本的な業務改革策として、建設CALS/ECに取り組んでいる。昨年の4月に「大阪府の建設CALS/ECアクションプラン」を策定し、平成13〜15年度にかけて電子入札、電子納品、情報共有システムの開発している。平成16〜18年度は業務改善方策に基づく業務モデルの構築を行う計画で、これは既に運用している各システムのさらなる改良と拡大、それから相互情報データベース化やGISを核とする新しいCALSの構築を検討している。組織のスリム化、業務のBPR効果などの調査・分析を行い、その結果に基づいてCALS/ECの導入を進め、19年度からの本格的な運用を目指している。 |
| ○講演2 |
| 『CALS/EC推進の意義と標準化』 |
| IAI日本支部 副会長 山下 純一氏 |
建設産業は製造業と違いそれぞれのプロジェクトの独立性が非常に高い。そのため生産組織はプロジェクト毎に離合集散しており、プロジェクト毎のシステムは有効に連携できず効率が上がらない。生産プロセスの効率を上げるには、プロジェクト全体を構成する企業間をつなぐバーチャルカンパニーとしてのシステムが必要になる。CALS/ECの役割は、受発注者の組織を超えるデータ交換、共有化である。今後は紙レベルの受け渡しでは不可能な属性情報をCADデータに持つことにより、生産プロセスで得られた情報を共有化し、より効果的な、効率的な生産プロセスを実現することが必要になる。 |
| ○講演3 |
| 『建設現場におけるCALSの導入事例』 |
| 社団法人日本土木工業協会 CALS/EC部会 現場情報化WGサブリーダー 豊田 哲也氏 |
受注者へのアンケート調査によると、事前協議に関しては、啓蒙の効果もあり、85%程度実施されていた。その一方で、事前協議ガイドラインに沿った電子データによる納品物と紙による納品物に整理されず、半数程度の案件では電子データと紙で二重に提出されている。もっともCALS効果が期待されるインターネットによる受発注者間の情報交換、情報共有は、工事現場で高速通信回線のサービスが受けられない事情等から普及率14%程度と低い。CAD図面の活用は非常に増えてきているが、その反面、CAD製図基準に準拠した発注図がほとんどない状況であった。これは、電子納品物のチャックが十分履行されていないことを裏付けるもので、今後の大きな課題である。電子納品や検査の実施など合理的に行う方策について、受注者側からも積極的に提案していくべきと考えている。 |
来場者のアンケート結果にも示されるとおり、CALS/ECの導入や対応への関心が全国的に高まってきており、本イベントの展示会場やセミナー会場にもその熱意が感じられ、まさにキャッチフレーズどおり、『本格実施で見えてきた“CALS/ECの効果"を体感する2日間』となりました。SCOPEでは今後も、様々な活動を通じ、CALS/ECのさらなる発展に寄与していきたいと考えております。 |
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