Scope View
関西国際空港施設積算システム
研究第二部

 
1.システム開発の経緯・必要性

 関西国際空港(以下、KIAC)の2期空港島建設工事は、2本目滑走路の早期供用を目指して、現在2次揚土工事を中心に最盛期を迎えようとしています。
 当該工事は1期島建設工事と同様に「大規模急速施工」であるため、工事価格の積算においては以下の理由から独自の基準を適用する必要があります。
 (1)施工方法や大型船舶・機械を使用する等の特殊性。
 (2)非常に大きな数量や単価を扱う。
 (3)施工歩掛の精度や基礎価格の設定、各種係数や率の設定で金額が変動する。etc
 これら積算業務に携わる担当者は煩雑かつ膨大な業務量をこなす必要がありました。
 平成9年以降、SCOPEは上記のニーズに応えるため、港湾土木請負工事積算基準(国土交通省)をベースとした独自の積算支援システムを開発し提供しています。
 今回はこの既存システムを改良することで、現状の業務ニーズに即した高精度のシステムを、短期間に、かつ低コストで開発したことを報告します。


 
2.システムの特徴

(1)独自積算基準データの登録
 大規模施工、急速施工の工事特性により、国の積算基準をそのまま適用できない事例が数多く発生するため、データ管理システムを用意し、画面の流れに従い操作することで容易にKIAC独自の積算基準を登録することができます。

(2)複数単価地区登録
 1つの資材、1つの労務に対して、複数個の地区単価を登録可能としています。これにより、調達場所毎の適切な単価を設計書で使用し、より実態に近い設計金額の算出を実現しています。

(3)データの共有化
 システム形態は、クライアント・サーバ型を採用しています。
これにより、管理者が登録した積算基準データ、機労材の単価データをサーバに保有し、各クライアントで共有することが可能です。
 このため、各設計書で使用する積算基準および単価の統一を自動処理することができます。
 また、各クライアントで作成した設計書データをサーバで一元管理することが可能であるため、類似設計書の有効活用、基準データの使用状況調査を容易に処理することが可能です。

(4)工種体系ツリーへの対応
 積算基準の内容をツリーイメージで表示し、積算者はこれをマウスでクリックするといった単純操作で設計書を作成することができます。これにより、設計書作成作業の負荷軽減だけでなく、設計書構成の統一化を可能としています。

(5)Windowsライクな操作性
 Windows系のワープロ、表計算等のOAツールと同様なメニューバー、ツールバー等のユーザインタフェースを実装しているので、直感的な操作を実現し、迅速な設計書の作成を可能としています。


 
3.システム概要

 本システムの機能一覧及び登録済み基準データを以下に示します。

(1)機能一覧

(2)登録済み基準データ(空港土木請負工事積算基準)

(3)システム操作フロー
 1)データ管理システム
 基準データの作成は、以下の(1)〜(5)の手順で行います。

 2)積算システム
 設計書作成の手順は、以下の(1)〜(4)で行います。また、結果の確認は(5)で行います。


 
4.今後の課題

 SCOPEでは、今後ユーザーの顧客満足度を高めるため、KIAC側と打ち合わせを行い本システムの充実を図っていく必要があると考えています。これらシステム改良案の具体例を以下に示し、本報告を終了します。

(1)基準データ登録範囲の拡大(空港土木請負工事積算基準)

(2)積算システムの機能強化項目案
設計書内独自代価表の共通(共有)化機能
設計書内の独自代価表データを基準データに取込む機能
損料に対する企画登録領域の拡張
処分費等の自動集計・計算機能
現場管理費 工事一時中止に伴う増加費用計算機能
諸雑費の計算機能



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