ワイワイネットワーク 本コーナーでは、情報化や新技術に関連したタイムリーな情報をピックアップしてわかりやすく紹介していきます。

船舶も排ガス規制

 環境省と国土交通省は、海洋汚染防止法の改正案を次期通常国会に提出、船舶について初の排ガス規制の導入を図ります。
 船舶の汚染防止を目的とした国際条約「マルポール条約」の議定書が97年に採択され、原則として全船舶を対象に硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)、フロンなどを規制する枠組ができました。すでにパナマ、リベリアなど10を超える国が批准。韓国なども批准を検討しており、15カ国の条件を満たして来年にも発効する見通しとなりました。
 そのため、批准に向けて国内法整備を急ぎ、規制値を国際基準に合わせる方針。日本船籍の大半の船舶はクリアできるとみられますが、将来、規制が強化される可能性があります。法案では、規制値を超える外国船舶は未批准国の船籍であっても入港を拒否できるようにする方針です。
 環境省の推計によると、00年度のSOx総排出量のうち、港湾内や沿岸航路で船舶が排出するSOxが占める割合は、1都6県の関東地域で19%、大阪、兵庫、京都の近畿3府県では46%、NOxでは関東で6.7%、近畿で16%。
 船舶による大気汚染は欧州で問題視されてきましたが、日本では住居地域と航路が離れており、自動車ほど問題にはなりませんでした。
 改正法案は、議定書にあわせて、2000回転以上の能力を持つエンジン1kW時当たりのNOxの排出量を9.8g以下に規制するほか、4.5%を超える硫黄分を含む燃料の使用を禁止します。国際航路船では00年以降に取りつけたエンジン、国内船は議定書発効後のエンジンに適用。老朽船は対象外になりますが、将来、新造船への入れ替えが進めば、船舶由来のNOx排出量を1割削減できる見込みです。
(2004.1.7 朝日新聞より)

「リアルタイム防災」実証実験

 地震の揺れを事前に検知して2次災害の防止に役立てる「リアルタイム防災」の実証実験が1月末から全国で始まります。
 国やNPO法人が進めているもので、揺れの前に消防署の扉を開いたり、家庭では自動的にガスを止めたりといった11例の実験を通し、07年度の実用化を目指します。
 気象庁は昨年12月、全国80カ所に「ナウキャスト」という最新の地震計を設置しました。地震波が伝わる速度の差を利用して大きな揺れの数秒〜数十秒前に地震を検知し、情報を発信します。
 NPOのリアルタイム地震情報協議会が、活用方法について検討。同協議会には電機メーカー、建設、電力・ガス会社など54社が参加、一部が実験に参加します。
 実験では、消防署、工場、ビルなどを専用線で結ぶ。気象庁から最初の揺れの情報が入った場合、消防署ではシャッターを自動的に開けて消防車両の出動を準備、工場は危険作業の停止や汚染物質の流出を防止、オフィスビルではエレベーターを自動停止します。
 さらにインターネットを使って家庭のプロパンガスや情報家電を自動制御する、などを試します。

リアルタイム地震情報の流れ
リアルタイム地震情報の流れ

(2004.1.27 朝日新聞より)

IMO 欠陥船根絶へ出張監査

 海難事故などの原因となる欠陥船をなくすため、国連の国際海事機関(IMO)が、04年から加盟国に出向いて、各国の検査制度を監査する取り組みを始めます。外国船の検査は寄港国で実施していましたが、日本近海で北朝鮮やロシア船の原油流出事故などが相次いだことから、日本の提唱で「攻めの姿勢」に転換。各国の検査体制をチェックすることで、欠陥船を放置させない体制づくりを整えたい考えです。
 新制度は、日本が中心となって昨年11月にロンドンで開かれたIMO総会に共同提案され、実施が決議されました。
 7月に始まる試験監査には、日本と共同提案した欧米諸国や韓国など約30カ国が参加予定。将来的には加盟国すべてを強制的に監査したい意向です。
 船舶の安全基準を守らせるのは母国の責任になります。
 日本の場合、この条約に沿って船舶安全法や国土交通省令で詳細な基準を明示し、自国船を定期検査しています。一方、国内に寄港した外国船については、国土交通省が船舶安全検査(PSC)を実施、基準を満たさない場合は改善を命じる仕組みになっています。
 しかし、老朽船や欠陥船が一向に減らないため、各国が自国の船をきちんと検査できるようになれば海難事故は減らせるという判断から、新制度を提唱しました。
 監査の具体的な内容や方法などは今後協議しますが、国際条約の専門家や、船舶検査官らを各国が出し合って監査チームを結成。対象国の国内法や、船舶検査の実施マニュアル、検査官の訓練内容などについての指導を想定しているとのことです。

03年1〜11月分 国土交通省まとめ
03年1〜11月分 国土交通省まとめ

(2007.1.19 朝日新聞より)

機内でブロードバンド通信

 三菱電機は、航空機の機内でブロードバンド(高速大容量)通信ができるシステムを米航空機メーカーのボーイング社と共同開発し、出荷を始めました。衛星を利用して地上の通信網に接続するもので、04年中に100機分の出荷を予定しています。一部の航空会社は今年前半にも旅客機に搭載してサービスが利用できるようになる見込みです。
 三菱電機はボーイング社と00年4月から共同開発を始め、02年6月にボーイング社から100機分を受注しました。10年までに4000機分の受注を見込みます。システムの搭載に適している乗客100人以上の旅客機で、全世界の25%に導入されると見ています。
 開発したシステムは、放送などに使われている民間衛星を使って地上の基地局と通信して、インターネットに接続。機体の上部にアンテナを設置し、飛行中にアンテナの角度を変えながら衛星と通信します。
 ルフトハンザ航空やスカンジナビア航空のほか、日本航空も04年後半には東京−ロンドン線などで導入する予定です。

旅客機のブロードバンド通信システム
旅客機のブロードバンド通信システム

(2004.1.7 朝日新聞より)

建物の倒壊状況を1分で推定

 防災科学技術研究所の災害情報システムチームは、地震直後にヘリコプターや飛行機で撮影した画像から、建物の被害状況を自動的に推定するシステムを開発しました。
 画像では、倒壊していない建物は直線的で屋根の輪郭の線がはっきりしていますが、倒壊すると直線部分が減り、がれきで屋根の部分に複雑な線が表れます。こうした変化を、コンピュータが見分けて倒壊の程度を推定し、それに応じて色分けするもので、どの辺りの被害が大きいか、といった情報がすぐに得られます。
 解像度が10〜50cm程度の画像ならば入力して1分もあれば処理できます。より広い範囲を撮影した画像で、解像度が8〜10m程度のものでも、被害が甚大な地域の推定が可能とのことです。
 システムを組み込んだパソコンをヘリコプターや飛行機に持ち込めば、より早く、全体の被害状況が把握できます。
 同様のシステムは人工衛星でも計画されていますが、被災地を撮影できる位置まで移動するまで時間がかかる場合があります。その点、ヘリコプターなどの方が柔軟に運用でき、解像度が高い画像が得られます。災害発生前後の画像の変化で被害を算出する方法もありますが、このシステムでは地震前の画像がなくても対応できます。
 大地震発生時は、大きな被害を受けた地域ほど現地からの情報が入りにくく、全体状況をつかむのが困難になります。兵庫県南部地震でもこれが課題の一つになりました。優先度の決定など適切な救助・救援活動のためにも広域的な状況把握が必要とされます。
 昨年12月、中央防災会議が決定した東南海、南海地震の対策大綱でもヘリコプターや人工衛星などによる迅速な情報把握の実施が盛り込まれ、研究開発が進められています。
(2004.1.18 朝日新聞より)


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