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| 研究テーマ「海上交通データベースシステムの開発」 |
| 研究者:奥山育英 鳥取大学工学部社会開発システム工学科 教授 |
本研究ではまず、国土交通省港湾局が実施した海上交通実態調査結果データを磁気テープからMOに保存し直し、データの利用マニュアルを作成した。このことにより、これまでリール磁気テープ装置の稼働している機関でしか利用できなかった調査結果データが、広く活用可能となった。
次にこの航跡データの有する莫大な情報を誰もが理解できるようにアプリケーションプログラムを作成し、当該海域における船舶航行の特性を容易に把握できるシステムを開発した。具体的には、船種・船型別、時間帯別、方向別、OD別等の(1)航跡図、(2)密度分布図、(3)速力分布図、(4)ゲートライン通過隻数図を表示する交通特性分析システムを開発した。
さらに、現データのダイナミズムを生かした各種の動画作成手法を開発し、港湾整備の前後における船舶航行の改善をわかりやすく説明できるシステムを開発した。
| 研究テーマ「地下鉄筋コンクリート構造物の漏水部の補修に対する電着工法の適用可能性−港湾・空港施設を対象として−」 |
| 研究者:大即信明 東京工業大学理工学研究科 教授 |
電着工法は、鉄筋コンクリート構造物のひび割れ近傍を陽イオンを含んだ水溶液(海水も含む)で満たし、通常水溶液側を陽極、内部鉄筋側を陰極として直流電流を通ずることで、析出する電着物によりひび割れの閉塞や表層部の改質を図る技術である。
この電着工法は、海洋鉄筋コンクリート構造物に対する適用事例があり、また陸上鉄筋コンクリート構造物に対する適用可能性が示されている。しかし、地下鉄筋構造物の漏水部の補修に対する適用可能性は示されていない。
本研究では、(1)ひび割れ部からの漏水を対象とした検討及び(2)海洋粘土中に存在するひび割れを対象とした検討を行った。
検討の結果(1)に関しては漏水しているひび割れに対する電着工法の適用性が示され、(2)に対してもCl-浸透抑制を主目的とした電着工法の適用性が確認された。
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