Scope View
平成14年度SCOPE研究開発助成制度助成研究の決定について
研究第二部

 
新技術の積算標準化

積算標準化事業

 我が国の港づくりは、厳しい自然環境と数多くの制約条件を克服しながらすすめられており、施工方法は大型化、特殊化の傾向にあります。
 
 それに従い新技術・新工法が数多く開発されていますが、実用性が確認されていても積算基準がない、もしくは工事実績が不足しているなどの理由により、発注者により採用されにくいのが現状です。
 
 SCOPEでは、新技術・新工法の活用を促進することを目的として、平成9年より、その技術を保有する民間企業や民間団体からの委託を受けて積算基準化を図り公表するという積算標準化事業を行っています。

 本事業の実施にあたっては、工事実績の収集整理、そして調査結果の解析検討を行い、実態に合わせた基準化を行っていますが、できるかぎり従来の積算基準との整合をもたせ、「国土交通省港湾土木請負工事積算基準」に合わせた体系としています。

積算標準化事業

発行積算基準

 今年度、SCOPEでは管中混合固化処理工の積算標準化をすすめ、平成15年3月に積算基準として発行しました。なお、過去に発行した積算基準も含め、現在右表の6つの新工法・新技術について積算基準を作成し、公表しています。

SCOPE発行積算基準 初版発行 改訂版発行
ハイブリッドケーソン製作工積算基準 平成10年3月 平成13年4月
浮体式コンベヤ埋立工積算基準
ハイブリッド浮体製作工積算基準 平成11年3月
PC床版工積算基準
ジャケット製作工積算基準 平成12年3月
管中混合固化処理工積算基準 平成15年3月 -

 
管中混合固化処理工法

工法概要

 管中混合固化処理工法は、浚渫土を埋立材などに利用するための固化処理工法のひとつで、浚渫土を空気圧送する途中で固化材を注入し、プラグ流の乱流効果を利用して圧送管内で浚渫土と固化材を攪拌混合する工法で、主な利用用途は埋立と裏埋です。

特徴
 1)浚渫土のリサイクルが可能
 2)固化材添加により任意の強度の材料を短期間で供給可能
 3)既存の大型空気圧送船使用により、大量急速施工が可能
 4)既存の固化処理工法に比べ、コストダウンが可能
空気圧送による混練状況
空気圧送による混練状況

海上埋立工施工状況

 海上埋立工の標準的な施工状況を写真に示します。
海上埋立工施工状況

 ここでは埋立護岸外側(写真下部)に空気圧送船、固化材供給船を配置し、土運船で運搬された浚渫土を揚土して、海上管の途中で固化材供給船から固化材を注入しています。固化材と撹拌混合された固化処理土は、埋立護岸内側(写真上部)に圧送し、打設船を使用して打設しています。
 
 なお、空気圧送船を使用して浚渫土を揚土し圧送する方式を海上埋立工、陸上に空気圧送設備や固化材供給設備を設置し、陸上機械で揚土し圧送する方式を陸上埋立工としています。

 
積算基準の内容

使用船舶/機械構成

 海上埋立工、陸上埋立工で使用する船舶、機械設備の構成を下表に示します。

海上埋立工 標準船団構成
船舶等 施工能力の規格
300m3/hクラス 600m3/hクラス 800m3/hクラス
空気圧送船 鋼 D 2,000PS型 鋼 D 3,000PS型 鋼 D 6,000PS型
固化材供給船 30t/h 60t/h 100t/h
揚錨船(空気圧送船付) 鋼 D 15t 吊 鋼 D 20t 吊 鋼 D 30t 吊
打設船 300m3/h 600m3/h 800m3/h
揚錨船(打設船付) 鋼 D 5t 吊 鋼 D 10t 吊 鋼 D 10t 吊
固化材運搬船 150t積 300t積 500t積
引船(固化材運搬船付) 鋼 D 250PS型 鋼 D 500PS型 鋼 D 1000PS型
圧送管 φ=400mm φ=560mm φ=660mm

  陸上埋立工 標準機械設備構成
(標準:コンクリートポンプ方式)
 
 
機械設備 標準規格
空気圧縮機 114m3/min
コンクリートポンプ 240m3/h
バックホウ 1.4m3×2台
固化材供給装置 24m3/h
発動発電機 200及び300kVA
 

施工歩掛

 管中固化処理能力は、空気圧送船による揚土能力をベースとし、これまでの施工実績から能力算定式を定めています。
 
 下に海上埋立工での能力算定式等を示しますが、1時間当たり処理能力qaについては、液性限界比(浚渫土の自然含水比と液性限界との比)の違いにより施工能力が異なることから、液性限界比の範囲を2つに分けて能力を設定しています。
 
 このため、事前に浚渫対象土の液性限界を把握しておくことが必要となります。

能力算定式
 
qa:空気圧送船(D6000PS型 800m3/h)の場合
液性
限界比
(W/WL)
排送距離別処理能力(m3/h)
200m 400m 600m 800m 1000m ≧1000m
1.35以上2.00未満 690 670 640 610 590 別 途
1.00以上1.35未満 620 590 570 540 520 別 途


 SCOPEでは今後も新技術の積算標準化の要請に応じ、この事業を進めてまいります。なお、すでに発行している他の5工種の積算基準も含め、SCOPEで公表、販売しています。購入希望の際は、SCOPEにお問い合わせいただくか、SCOPEのホームページからお申込み願います。


 
(財)港湾空港建設技術サービスセンター 研究第二部
   TEL.03-3503-2802
   FAX.03-5512-7515


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