わが国の入札・契約方式は平成17年4月から施行された「公共工事の品質確保の促進に関する法律」によって歴史的な転換を迎えました。これは、従来の「価格のみによる競争」から「価格と価格以外の要素による競争」に転換するもので、国際的な動向に整合したものです。
この制度の目的は、
・公共工事の品質確保
はもとより、
・建設産業の持続的な発展(人材育成、イノベーション)
・談合の防止と不良・不適格業者の排除
など、建設生産システム全体の構造改革を求めるものです。
結果として、
・建設産業の意識と経営の改善(価格競争→技術競争へ)
・発注者側の能力の確保
が求められることになります。
SCOPEでは、こうした考え方が先行している先進各国の情報収集を行い、公共調達システムや建設業の国際化を支えるためにさまざまな調査研究を実施しています。調査研究成果については、販売図書や技術資料をご覧いただければ幸いです。
港湾・空港分野の公共工事や調査業務の契約段階での総合評価方式を始め、多様な公共調達方式の適用に関する調査研究のほか、適切な公共調達システムを構築するための調査研究を行ってきており、平成21年度は、以下の調査研究を実施した。
平成20年度に引き続き、北米及びヨーロッパの各国を主たる対象として、公共調達制度や関連技術の動向について幅広く文献調査を行った。このうち、米国の公共調達に関する動きについては、収集資料を集約・分析し、書籍にとりまとめた。また、これらの調査結果に基づき、我が国の公共調達の現状の課題や今後のあり方について検討を行い、専門誌への寄稿、各種講演会での講演を行った。
世界各国、各分野におけるリスクマネジメントに関する調査研究を行った。この結果、リスクマネジメントが広範囲に適用が進んでいる実態を把握したほか、リスクやリスクマネジメントの定義に関し、各国、各分野で大きな違いが存在することがわかり、これらを用語解説集としてとりまとめることとした。 これらの成果は22年度に予定するPFIなどの調査研究に引き継ぐ予定である。
各地方整備局の港湾・空港関係の工事及び業務の総合評価方式の実施状況を整理・分析し、工事における評価項目、技術提案及び総合評価方式導入効果の評価分析を行った。業務については、本年度から総合評価方式が本格導入され、前期の契約結果から実施の傾向や問題点の整理を行い、更なる適用拡大に向けた検討を行った。また、公共調達に関する調査研究成果を活用し、港湾・空港関係工事の発注に係る総合評価方式の技術審査への支援を行った。
空港の土木工事の品質確保の上で基本となる「空港土木工事共通仕様書」「空港土木設計・測量・地質土質調査・点検業務共通仕様書」について、空港土木施設の設計基準類及び空港土木工事工種体系との整合、JIS規格、関係法令等の改訂状況、新技術の動向等を踏まえ、課題の整理と改訂案の検討を行った。これらの成果は平成22年度の仕様書改訂に反映されている。
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